速さの裏側:キャッシュ/キャッシュメモリの基本原理【備忘録-基本情報技術者試験対策 #27】

基本情報技術者試験

※ 本記事では、基本情報技術者試験の対策として私が勉強したことを備忘録的にまとめておきたいと思います。
少しでも参考になれば嬉しいです。

はじめに

さて今回は、基本情報技術者試験対策として、キャッシュ、キャッシュメモリについてまとめたいと思います。

日々のデジタル体験は、驚くほど迅速に展開されていますが、その裏では複雑なプロセスが繰り広げられています。プロセッサが情報を一瞬で処理し、画面上に情報が表示される瞬間には、実は多くの情報が主記憶からプロセッサに移動し、その効率はシステム全体の性能に直結します。

ここで登場するのが「キャッシュメモリ」です。まるで魔法のような存在で、この小さな高速メモリが、プロセッサと主記憶の距離を縮め、驚異的な処理速度を実現しています。主記憶とプロセッサの間に位置し、頻繁にアクセスされるデータを取り込んで高速に提供することで、私たちのコンピューティング体験はスムーズさを増しています。

この記事では、キャッシュやキャッシュメモリの基本原理についてまとめます。なぜキャッシュメモリが不可欠なのか、L1キャッシュ ~ L3キャッシュの違いは何かキャッシュヒットとキャッシュミスとは一体どういうものなのか、わかりやすく解説していきます。

それではさっそく見ていきましょう!

ちなみに私はこの参考書を使って勉強してました。

漫画形式で読みやすく、分かりやすい内容になっているため、無理なく学習を進められると思います。

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少し内容が異なる部分もあるかもしれませんが、大まかには変わらないはずですので、安心して下さい。

キャッシュメモリの基本理解

キャッシュメモリとは何か?

キャッシュメモリは、コンピュータの高速なデータストレージの一部で、主記憶装置(RAM)よりも高速にデータにアクセスできるように設計されています。

主記憶(RAM)とプロセッサの間に配置されており、CPUが頻繁に、または最近使用したデータを一時保存するためのものです。CPUが再度そのデータにアクセスする必要がある場合は、キャッシュメモリから直接取得できます。これにより、CPUと主記憶装置間の通信時間が短縮され、全体的なコンピュータのパフォーマンスが向上します。

RAMについてや、ハードウェアの構成については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

  • 高速性:
    キャッシュメモリは、RAMよりも高速にデータにアクセスできます。
  • 一時的な保存:
    CPUが頻繁にまたは最近使用したデータを保存します。
  • パフォーマンス向上:
    CPUと主記憶装置間の通信時間を短縮し、全体的なパフォーマンスを向上させます。

キャッシュメモリは、コンピュータのパフォーマンスを向上させるための重要な要素です。その存在により、CPUは必要なデータをより速く取得できます。これにより、プログラムの実行速度が向上し、ユーザー体験が向上します。

キャッシュメモリの種類と仕組み

L1キャッシュ、L2キャッシュ、L3キャッシュとは?

キャッシュメモリには、いくつか種類があります。代表的なものを紹介しますので、頭に入れておきましょう!

  • L1キャッシュ:
    L1キャッシュは、最も高速なデータストレージを提供します。これは、CPU内部に存在し、CPUが直接アクセスできるためです。しかし、そのサイズは非常に小さいため、限られた量の情報しか保存できません
    L1キャッシュの主な役割は、CPUが頻繁にまたは最近使用したデータを高速に提供することです。これにより、CPUと主記憶装置間の通信時間が短縮され、全体的なパフォーマンスが向上します。
  • L2キャッシュ:
    L2キャッシュは、CPUから少し離れた場所に存在します。これはL1キャッシュよりも大きく、少し遅いです。しかし、それでも主記憶装置(RAM)よりも高速にアクセスできます。
    特に、L1キャッシュがフルになったときや、L1キャッシュにないデータが必要なときに使用されます。
  • L3キャッシュ:
    L3キャッシュは、L2キャッシュからさらに離れた場所に存在します。これはさらに大きく、さらに遅いです。しかし、それでも主記憶装置(RAM)よりも高速です。
    特に、L2キャッシュがフルになったときや、L2キャッシュにないデータが必要なときに使用されます。

以上から分かるように、L1がフルになったらL2へ、L2がフルになったらL3へ、といった感じですかね。

キャッシュのデータ格納方法

キャッシュのデータ格納方法も記載しておきますね。これも非常に重要な要素です。

試験でも問われますので、必ず覚えておきましょう!

キャッシュメモリ内のデータは、特定のアルゴリズムに従って格納されます。最も一般的なアルゴリズムは以下の通りです。

  • LRU(Least Recently Used):
    このアルゴリズムでは、最も最近に使用されていないデータが新しいデータで置き換えられます
    英語でイメージしてあげると、「Least:最も少量、少ない」、「Recently:最近」、「Used:使われた」的な感じです。そのまんまつなげても、最も最近使用されている回数が少ないデータと読み取れますね。
  • FIFO(First In, First Out):
    このアルゴリズムでは、最初に入ったデータが最初に出て行きます。つまり、新しいデータが入ると最も古いデータが削除されます
    これも英語でイメージしましょう。「First In:最初に入ったもの」、「First Out:最初に出る」といったところでしょうか。めちゃくちゃ簡単ですね。最初に入ったものから、最初に出ていくイメージです。

キャッシュヒットとキャッシュミスの理解

キャッシュヒットとは何か?

キャッシュヒットは、コンピュータのキャッシュメモリが要求されたデータをすでに持っている状態を指します

CPUがデータを要求すると、キャッシュメモリはまずそのデータが自身に存在するかどうかを確認します。もし存在すれば、これをキャッシュヒットと呼びます。データがキャッシュ内に存在するため、高速なアクセスが可能であり、プロセッサの待ち時間が最小限に抑えられます。

キャッシュミスとは何か?

キャッシュミスは、コンピュータのキャッシュメモリが要求されたデータを持っていない状態を指します

キャッシュヒットとは反対に、データが見つけられていないような状態ですね。

  • 遅延の原因:
    キャッシュミスが発生すると、CPUは主記憶装置(RAM)からデータを取得する必要があります。これにより、CPUと主記憶装置間の通信時間が増加し、全体的なパフォーマンスが低下する可能性があります。
  • データの更新:
    キャッシュミスが発生した場合、要求されたデータは主記憶装置から取得され、その後キャッシュメモリに保存されます。これにより、キャッシュメモリは最新のデータを保持することができます。

キャッシュヒット率

キャッシュヒット率は、コンピュータのパフォーマンスを評価するための重要な指標です。これは、キャッシュメモリが要求されたデータを持っている割合を示します。キャッシュヒット率が高いほど、CPUはデータにより迅速にアクセスでき、全体的なパフォーマンスが向上します。

  • パフォーマンスの指標:
    キャッシュヒット率は、コンピュータのパフォーマンスを評価するための重要な指標です。キャッシュヒット率が高いほど、全体的なパフォーマンスが向上します。
  • 効率的なリソース利用:
    高いキャッシュヒット率は、CPUが頻繁にまたは最近使用したデータを効率的に利用していることを示します。これにより、CPUと主記憶装置間の通信時間が短縮されます。

キャッシュヒット率は以下の式で計算されます。

キャッシュヒット率 = (キャッシュヒットの回数 / 全体のデータ要求の回数) * 100

式の意味は全く難しくないですね。

キャッシュがヒットする率(割合)なので、全体のデータ要求回数の内、何回キャッシュヒットが発生しているかを割合として求めてあげるだけです。

最後に

さて今回は、基本情報技術者試験対策として、キャッシュ、キャッシュメモリについてまとめました。

何となくでもイメージできましたでしょうか??

色々書きましたが、ひとまずはキャッシュメモリの役割と、キャッシュとは何かについて理解しておいてもらえればOKだと思います。

あとは地味に、データ格納方法も重要です。必ずこちらも知識として定着させておいてくださいね。

ポイントも書いておきますので、試験までに必ず覚えておくようにしましょう!

★キャッシュ・キャッシュメモリ
主記憶(RAM)とプロセッサの間に配置
データを一時保存するためのもの
再度データにアクセスする必要がある場合、キャッシュメモリから直接取得できるため、CPUと主記憶装置間の通信時間が短縮され、全体的なコンピュータのパフォーマンスが向上

★LRU(Least Recently Used)
最も最近に使用されていないデータが新しいデータで置き換えられる

★FIFO(First In, First Out)
新しいデータが入ると最も古いデータが削除される

今回はこれで以上!

前回まとめた記事も読んでもらえると嬉しいです!

基本情報以外の勉強記事も是非!

オススメ参考書 & Udemy講座

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