学び直しのための物理学参考書【物理を語りたい#1】

物理学

当記事のスタンス

 当記事は、物理学を学ぶ、あるいは学び直す方のための記事になります。題名に番号#を振っているものの、気まぐれに書いている記事なので更新しないかもしれません。悪しからず。

さて、今時PCのキーボードを叩けば、いくらでも物理を学ぶための情報が得られます。
しかし、その大半が良い人向けの情報ばかりだと感じました。

筆者は物理系の学部を卒業し、物理系の大学院(理学修士)を修了しましたが、基礎的な物理$^※$ですら満足に語ることができません。(※基礎的な物理=習得が容易 と主張しているわけではありません)

私のように物理は好きだが基礎的な物理ですら満足に語ることができない人にとっては、インターネットにそびえ立つ情報の山から情報を選択し、学び始める/学び直すことは並大抵のことではないはずです。その大量かつ断片的な情報に負けて諦めてしまう人が大多数ではないでしょうか。

そこで、今回は筆者のような “基礎的な物理ですら満足に語ることができない人” に少しでも有意義な情報を提供できたらと思い、当記事を書いています。

このような筆者が物理学の参考書に関して紹介することに対して、研究所、大学院、大学、高校、予備校あるいは企業で物理を生業とする方から賛否両論あることは重々承知しています。

しかし、物理を学び始めたい、あるいは学び直したい人にとっては、同じ立場の人間が読んでいる参考書の方が、ある種の安心感を持って物理を学ぶことができると思っています。ですから、当記事のスタンスも許してほしいと言うことなのです。

物理を満足に語ることができないとは?

先ほどから “満足に語ることができない” と言っていますが、その状態を定義しておきます。
以下の定義に当てはまらない方は、ブラウザバックした方が良いかもしれません。

  • 物理数学/力学/電磁気学/熱力学/統計力学/量子力学における基本的なアプローチ・計算ができない
  • なんか見たこと/聞いたことあるという物理用語は多いが、説明しろと言われるとできない
  • 参考書は各分野につき、1冊程度しか読んだことがない、あるいは読んだことがない

以上の全てが当てはまる方は、私と同じく“基礎的な物理ですら満足に語ることができない人” だとします。

このような方々におすすめの書籍を紹介できたらなと思います。

おすすめ書籍

それでは、物理数学、力学、電磁気学、熱力学、統計力学、量子力学に分けて紹介します。

”相対性理論や素粒子物理もあるじゃないか”と思われる方も多いかと思いますが、そもそもその辺りを勉強ができる人を対象にしていません。

物理数学

・物理学のための数学 一石賢先生(ベレ出版)

忘れもしません。大学入る前に父親から渡された1冊です。非常にわかりやすい書籍です。物理でよく扱うTaylor展開やMaclaurin展開を、この書籍で私は学びました。私見ではありますが、広く浅く学ぶことを目的とした書籍のイメージがあります。

・物理学レクチャーコース 物理数学 橋爪洋一郎先生著(裳華房)

まさにかゆい所に手が届く参考書です。そこまで説明する!?と驚く1冊です。入門書の位置付けですが、内容が平易ということではなく、物理学で使うことを意識した深い数学が展開されています。この本を最初に読むと難解に感じる内容もあるかもしれません。しかし、他の参考書を渡り歩いた末にこの参考書を読むと、物理数学に対する視界が一気に開ける感覚を味わえると思います。

力学

力学は一番大事だと分かっていてもあまり食指が動かず、今は下の参考書を使って勉強し直しています。そのため、まだ読了したわけではないので、感想は控えておきます。

力学  物理入門コース新装版 戸田盛和先生著(岩波書店)

大学の頃に使用していた参考書ですが、どの参考書を使っていたか失念してしまいました・・・恥ずかしい。教授が独自に作ったプリントをやっていたことは覚えているのですが。

電磁気学

・電磁気学 裳華房テキストシリーズ − 物理学 兵頭俊夫先生著(裳華房) 

物理学を学ぶ上で定番の裳華房テキストシリーズの1冊です。増補修訂版も出ているようです。
基本から着実に一歩ずつ進んでいくことができ、この一冊を読破する時に十分な実力がつくと思います。ただし、初学者には難解な表現や内容もあるため、そこで諦めずに理解できなくても読み進めていく勇気は必要と思われます。

・物理学レクチャーコース 電磁気学入門 加藤岳生先生著(裳華房)

こちらは今まさに私が学び直しに使っている書籍です。特徴としては”数学”と”電磁気学”が明確に分かれており、必要な数学を学んだ後に電磁気学に進んでいくことができます。書籍名に”入門”とあることから察せますが、どうやら続編も出てくるようなので楽しみに待っています。

・電磁気学Ⅰ電場と磁場  物理入門コース新装版 長岡洋介先生著(岩波書店)

難易度は電磁気学 裳華房テキストシリーズと同等と感じました。書籍名にあるように電磁気学Ⅰなので、電磁気学Ⅱもあります。電磁気学の範囲を一通り学ぶためには電磁気学Ⅱも購入すると良いと思います。私は電磁気学 裳華房テキストシリーズで理解しきれなかった時に、セカンドオピニオンとして当書籍を読んでおりました。

熱力学

・熱力学 三宅哲先生著(裳華房)

これぞ熱力学の入門書といった印象を持つハードカバーの1冊です。過不足ない内容で、ページ数も比較的少ないことも物理を学び直したい人、初学者の方におすすめできます。数式ガリガリタイプの書籍ではなく、理解を大切にした書籍なのかと思いました。

・物理学レクチャーコース 熱力学 岸根順一郎先生著(裳華房)

また物理学レクチャーコースですが、これもまた入門書の位置付けかと思いました。感覚的には熱力学 三宅哲先生著(裳華房)と似た雰囲気を感じました。ただし、こちらの書籍の方がさらに初学者向けと感じました。

統計力学

・岩波基礎物理シリーズ 新装版 統計力学 長岡洋介先生著(岩波書店)

私はこの書籍※で統計力学を学びました。大学の定期試験の勉強で何度読み返したかわかりません。統計力学の基本的な立場から説明しており、読みやすいと感じました。個人的にはフェルミ統計・ボース統計の部分が面白かった記憶があります。だいぶ忘れてしまいましたが・・・

※正確には、この新装版の前のものです。

・新物理学シリーズ 統計力学Ⅰ/統計力学Ⅱ 田崎晴明先生著(培風館)

これも名著で有名ですね。この本を知ったのは統計力学をある程度勉強した後でした。私は先ほど紹介した岩波基礎物理シリーズ 新装版 統計力学で理解しきれなかったことを、この書籍で調べるという使い方でした。なので、読破したわけではないのです。

量子力学

・基礎量子力学(KS物理専門書) 猪木慶治先生、川合光先生著(講談社)

この書籍は後ほど紹介する量子力学Ⅰ/量子力学Ⅱをさらにわかりやすくした量子力学の入門書のようです。そもそも量子力学自体が難解な分野なので最初は難しく感じますが、式を確実に手で追っていけば、次第に力がついてくる実感を持てる1冊になっています。

・量子力学Ⅰ/量子力学Ⅱ(KS物理専門書) 猪木慶治先生、川合光先生著(講談社)

この書籍も目にした人も多いのではないでしょうか。ガッツリ量子力学なので、初学者の方は上記の基礎量子力学を読破してから取り組む方が無難かと思いました。私も読破したわけではなく、基礎量子力学の方に載っていない内容だけを学習しました。これをやり切れる人はおそらく物理を語ることができる人なのでしょう…

物理学レクチャーコース 量子力学入門 伏星雄紀先生著(裳華房)

またまた物理学レクチャーコースです。これは入門と書いてあり、まさにその通りなのですが、個人的には量子力学を学び直したい人におすすめです。私はわかったようでわかっていないようなモヤモヤした感じで大学の講義を終えましたが、この本を読むことで全てとは言いませんがだいぶスッキリしました。

・別冊 量子論の世界(ニュートンプレス)

参考書とは違いますが、量子力学の1度でも学んだことがある方におすすめです。量子力学が如何にして発展してきたか、量子力学の実力を俯瞰して見ることができます。量子力学を学ぶモチベーションにもなり、夜眠る前の読書に最適です。

専門的なおすすめ書籍 ※気分で追加していく予定です

・物性物理学 裳華房テキストシリーズ − 物理学 永田一清先生著(裳華房)

このテキストはもはや学び直しや初学者向けのものではありませんが、紹介させていただきます。このテキストは物理学を一通り学び、さあ専門性を高めよう!となった方向けですね。物性物理学について、広く浅く学ぶことができる1冊となっています。

最後に

偉そうに数々の名著をご紹介してきましたが、私が中身を全て理解しているわけではないことはご承知おきください。

気になった書籍があれば、ぜひ手に取ってみていただければうれしいです。

いつか物理を満足に語ることができる日が来るのだろうか。

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