※2024/5/5更新
※ 本記事では、基本情報技術者試験の対策として私が勉強したことを備忘録的にまとめておきたいと思います。
少しでも参考になれば嬉しいです。
はじめに
さて今回は、基本情報技術者試験でよく問われる、様々なフォールトトレラントシステムについてまとめます。
フォールトトレラントとは、「耐障害性」という意味です。
(fault:「障害」・「欠陥」、tolerant:「耐性のある」ですね。)
要は、「システムに何か障害が発生した際、対処するための仕組み」ということです。
さて、どのような仕組みがあるのでしょうか。
ちなみに私はこの参考書を使って勉強してました。
漫画形式で読みやすく、分かりやすい内容になっているため、無理なく学習を進められると思います。
過去問を解きまくり、不明点があれば参考書で知識を補う、このサイクルで試験対策するのが私のオススメです!
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少し内容が異なる部分もあるかもしれませんが、大まかには変わらないはずですので、安心して下さい。
フェールセーフ
フェールセーフとは
フェールセーフとは、システムに障害や異常が発生した際、人命を最優先に考え、危険にさらさないようシステムを常に安全側に動作させる仕組み・機能のことです。
(fail:「失敗する」・「機能しなくなる」、safe:「安全」)
システムが稼働中に問題が発生することは避けられません。ハードウェアの故障、ソフトウェアのバグ、自然災害など、さまざまな要因がシステムの正常な動作を妨げる可能性があります。そこで、フェールセーフの考え方が重要になります。
フェールセーフは以下のように実現します。
- 冗長構成(Redundancy):
システムの要素を冗長に配置し、一部の要素が故障しても別の要素が代替として機能するようにします。例えば、冗長な電源ユニットや冗長なデータベースサーバーを使用することがあります。
- 監視と通知(Monitoring and Notification):
システムの健全性を監視し、問題が発生した場合に適切な人々に通知する仕組みを導入します。これにより、問題を早期に検知し対応できます。
- フェイルオーバー(Failover):
システムが主要なコンポーネントで障害を起こした場合、自動的にバックアップコンポーネントに切り替える仕組みを構築します。これにより、システムの可用性を高めます。
- バックアップと復元(Backup and Restore):
定期的にデータとシステムのバックアップを作成し、問題が発生した場合に迅速な復元を可能にします。
フェールセーフの利点
フェールセーフの導入により、システムは次のような利点を享受します。
- 高可用性:
システムがほとんどの状況で利用可能であることを保証します。
- 信頼性:
ユーザーとビジネスプロセスに対する信頼性を高め、サービスの中断を最小限に抑えます。
- リスク軽減:
問題が発生しても、迅速かつスムーズな復旧が可能です。
- コスト削減:
障害発生時の修復にかかるコストを削減し、業務の停止を防ぎます。
フェールセーフの代表例
代表的な例には「信号機」があります。
信号機は故障や異常が発生した際、赤点滅や黄点滅、またはを赤や黄を点灯させることで、事故が起こらないように制御されています。
その他にも、倒れると自動的に火が消えるストーブや、ある一定の速度を超えるとブレーキがかかるエレベーター等、世の中には人命を守るためのフェールセーフ機能が様々なシステムに備え付けれらています。
フェールソフト
フェールソフトとは
フェールソフトとは、システムが故障しても、全体の機能がストップしないよう継続させる仕組みのことです。
バックアップを使ったり、故障部分を切り離したりすることで、多少機能を低下させてでも、システムが完全には停止しないようにします。
(fail:「失敗する」・「機能しなくなる」、soft:「柔らかい」)
システムが完全にフェールセーフである場合、障害が発生するとシステムが停止し、ユーザーにサービス提供ができなくなります。しかし、フェールソフトの考え方を導入することで、システムは障害に対して柔軟に対応し、一部の機能が制限されるか一時停止されても、全体の機能が停止することはありません。
フェールソフトは以下のように実現します。
- グレースフルデグラデーション(Graceful Degradation):
システムは、障害が発生した場合に最も重要な機能を維持し、他の機能を一時的に停止または制限します。これにより、ユーザーにサービス提供を継続できます。
- 優先度設定(Priority Setting):
システム内の機能に優先度を割り当て、障害時に重要な機能が続行されるように設計されます。例えば、オンラインショッピングサイトでは注文処理が重要であるため、優先的に処理されます。
- 制約管理(Constraint Management):
システムはリソース使用を適切に制御し、障害時に過負荷やリソース競合を防ぎます。これにより、システムの安定性が確保されます。
フェールソフトの利点
フェールソフトの導入により、システムは次のような利点を享受します。
- ユーザーエクスペリエンスの維持:
システムが部分的に障害を受けた場合でも、ユーザーに影響を最小限に抑えることができます。
- 可用性の向上:
システムが継続的に提供され、ダウンタイムが減少します。
- 適応性:
異なる障害シナリオに対応でき、柔軟性が高まります。
- 信頼性:
ユーザーとビジネスに対する信頼性を高め、サービスの中断を軽減します。
フェールソフトの代表例
代表的な例は「飛行機のエンジン」です。
飛行機は左右に大きなジェットエンジンがついていますが、実は片方のエンジンが停止しても、落下せずに飛行し続けられるような仕組みになっています。
故障しても止まらずに、システムを継続させることが必要とされるような場合に備え付けられる機能ですね。
フールプルーフ
フールプルーフとは
フールプルーフとは、使用者が間違った使い方や意図しない使い方をしても、異常が発生しないよう、もしくはそもそも動作しないようにする仕組みです。
(fool:「バカ」・「愚か者」、proof:「耐えられる」・「負けない」)
英語の意味的に、「バカが使っても大丈夫なようにする」ということですね。
ユーザーはシステムや製品を使う際、誤って誤った操作を行ったり、ミスを犯すことがあります。フールプルーフな設計は、ユーザーが簡単に正しい方法で操作できるようにすることで、ユーザーエラーによる問題を最小限に抑えます。
フールプルーフは以下のように実現します。
- シンプルなインターフェース:
システムや製品のインターフェースをシンプルで直感的なものに設計します。ユーザーが迷わずに目的を達成できるように心掛けます。
- エラーメッセージとガイダンス:
ユーザーが誤操作をした場合、分かりやすいエラーメッセージやガイダンスを提供して、正しい手順に導きます。
- 安全なデフォルト設定:
システムや製品の初期設定を安全なものにし、ユーザーが明示的な変更を加えない限り、問題が発生しないようにします。
- テストとフィードバック収集:
ユーザビリティテストを実施し、ユーザーのフィードバックを収集して設計を改善します。ユーザーの実際の行動に基づいて調整を行います。
- 冗長性とセーフガード:
ユーザーが誤ってシステムに重大な影響を与える可能性がある場合、冗長性やセーフガードを導入して、致命的なエラーを防ぎます。
フールプルーフの利点
フールプルーフな設計を採用することで、次のような利点が得られます。
- ユーザーエクスペリエンスの向上:
ユーザーが簡単に製品やシステムを使えるため、満足度が向上します。
- エラーレスユース:
ユーザーが誤操作を防ぎ、問題を回避できるため、信頼性が高まります。
- サポートの削減:
ユーザーによるエラーに起因するサポート要求やトラブルシューティングの必要性が減少します。 - ブランド価値の向上:
フールプルーフな製品やシステムは、ブランドの信頼性を高め、競争力を強化します。
フールプルーフの代表例
代表的な例は「電子レンジ」です。
扉を閉めないと電子レンジは動きませんよね。開けたまま使うと危ないからです。扉を閉めないで使おうとする「fool:バカ」がいても、動作せずに、安全が担保される仕組みになっています。
他にも、電池ボックスがプラスマイナス逆だと入らないなど、間違った使い方をしても大丈夫なよう、設計がされてるものが様々あります。
最後にまとめ・・・これだけは覚えよう!
さて、今回は様々なフォールトトレラントシステムについてまとめました。
やはり英語の意味と紐づけると覚えやすいですね。(個人的には、フールプルーフが直訳すぎてお気に入りです・・・)
★フェールセーフ
異常が起きても安全に
★フェールソフト
異常が起きても継続
★フールプルーフ
バカが使っても大丈夫なように
皆さんもしっかり対策して、試験合格を目指しましょう!
以前まとめた記事も読んでもらえると嬉しいです!
基本情報以外の勉強記事も是非!
オススメ参考書 & Udemy講座
過去問編
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