【マスクROM/PROM】ROMの分類と基本原理まとめ【備忘録-基本情報技術者試験対策 #20】

基本情報技術者試験

※ 本記事では、基本情報技術者試験の対策として私が勉強したことを備忘録的にまとめておきたいと思います。
少しでも参考になれば嬉しいです。

はじめに

さて今回は、基本情報技術者試験対策として、ROMの分類と基本原理についてまとめたいと思います。

メモリとは、まさにコンピュータの命を支える源です。

本記事では先ず、ROMの基本概念に迫ります。メモリの役割や重要性を理解することで、コンピュータのデータの取り扱いに対する理解が深まります。

ROMには様々な種類があります。その中でも特に注目すべきは、「マスクROM」や「PROM(Programmable ROM)」といった種類です。。それぞれの特徴や利用方法を、具体的な事例を交えて分かりやすく解説していきます。

デジタル世界で快適な体験をするためには、メモリについての知識は欠かせません。ROMの魅力を知ることで、コンピュータやデバイスがどのように私たちのライフスタイルを豊かにしてくれるのか、理解が深まること間違いなし!さあ、一緒にROMの世界を探検してみましょう!

ちなみに私はこの参考書を使って勉強してました。

漫画形式で読みやすく、分かりやすい内容になっているため、無理なく学習を進められると思います。

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ROM(Read Only Memory)の基本概念と特徴

メモリとは何か?

いきなりROMの解説へと入る前に、まずはメモリとは何かについて、軽く触れておきましょう。

メモリ(Memory)は、コンピュータがデータを読み書きするためのストレージ領域であり、一時的にデータを保持する役割を担っています。コンピュータがアプリケーションを実行したり、データを処理したりする際に、必要な情報をメモリに格納して高速にアクセスすることができます。

主なメモリの種類としては、以下の3つが挙げられます。

  1. RAM(Random Access Memory):
    RAMはコンピュータの主記憶装置であり、高速なデータアクセスと一時的なデータ保持能力を持ちます。電源が切れるとデータが消えるため、一時的なデータのみを保存します。
    RAMについては前回まとめていますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです!
  1. ROM(Read Only Memory):
    ROMは読み取り専用のメモリであり、コンピュータの基本的な動作情報やファームウェアが格納されています。書き換えることができないため、永続的な情報を保存するのに適しています。
  1. HDD / SSD:
    HDDはデータを永続的に保存するための補助記憶装置であり、大容量のデータを格納できますが、RAMに比べてアクセス速度は遅めです。
    SSDは、HDDの遅さをカバーし、より高速なデータ処理を実現することができます。

メモリとは直接関係ありませんが、ハードウェア全般にまとめている記事もありますので、是非そちらも読んでいただけると嬉しいです!

ROMの役割と重要性

さて、ではROMについてです。

ROMには、OSのブートプログラムやデバイスのファームウェア、設定情報など、システムの基本動作に必要なデータが格納されます。

また、RAMは読み書き両方できたのに対し、ROMは読み取り専用です。「Read Only:読み取りだけ」なのでイメージはしやすいかと思います。このような特徴から、誤って書き換えられる心配がなく、システムの安定性と信頼性を確保する役割を果たします。

もう一つ、RAMとは異なる重要な特徴があります。「不揮発性」という特徴です。

RAMは、デバイスの電源を消すとデータが失われる、「揮発性」という特徴を有していると、以前お話したかと思います。それとは対照的にROMは、デバイスの電源を消してもデータが失われず、データを保持し続ける「不揮発性」という特徴を有しています。

どちらもコンピュータの基盤を支える重要な役割を担っていますので、しっかり理解しておくようにしましょう。

メモリの分類と主なROMの種類

次に、ROMの主な種類について見ていきましょう。

主なROMの種類には、マスクROMとPROM(Programmable ROM)があります。また、PROMの中には、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどがあります。

それぞれ重要な特徴を持っていますので、後ほど詳しく解説しますね。

マスクROMの特徴と利用方法

マスクROMの基本原理

まずは、マスクROMの基本原理についてです。

マスクROMは、製造工程においてデータがROMチップに焼き込まれることで実現します。この焼き込みとは、コンピュータチップに不可逆的にデータを記録するプロセスを指します。製品の最終的な仕様が確定した後に、データをマスクROMに組み込むため、その後は書き換えることができません。

マスクROMの特徴

マスクROMの基本原理はよく分かりましたかね??

それらを理解していると、以下のような特徴がしっくりくるはずです。大切な特徴なので、しっかりとおさえておきましょう。

  1. 不可逆なデータ書き込み:
    マスクROMは、ROMチップが製造される際に、メーカーや開発者が固定したデータデータが焼き込まれるため、一度書き込まれたデータは変更できません。そのため、製品の最終的な仕様が確定した後にデータを書き込むのに適しています。
  1. 安定性と信頼性:
    マスクROMは不変のデータを保持するため、コンピュータや電子機器の安定性と信頼性を高めることができます。固定されたデータが正しく動作することが保証されるため、システムの安全性を確保するのに有効です。
  1. カスタムデザイン:
    マスクROMは製造時にデータを焼き込むため、製品に固有のデータを組み込むことが可能です。メーカーは固有のロゴ、設定情報、言語データなどをROMに組み込むことで、製品の個性を表現できます。

マスクROMの利用シーン

  • システムの基本データ:
    マスクROMはコンピュータや電子機器のシステムに必要な基本データを格納するのに適しています。例えば、コンピュータのBIOS(基本入出力システム)はマスクROMによって実装されることがあります。BIOSは、コンピュータの起動時に重要な初期化処理を行い、OSの起動をサポートする役割を果たします。BIOSについては以前軽くまとめていますので、そちらも是非読んでいただけると嬉しいです!
  • ゲーム機のファームウェア:
    ゲーム機のファームウェアもマスクROMに格納されることが一般的です。ゲーム機の基本動作やセキュリティ機能、ゲームカートリッジの認識などに必要なデータがマスクROMに固定されています。
  • 機器の固有データ:
    家電製品や携帯電話などの電子機器には、製品の固有データを保持するためにマスクROMが活用されることがあります。例えば、液晶テレビの製品名や型番、初期設定情報などがマスクROMに組み込まれています。

PROM(Programmable ROM)の特徴と利用方法

次に、PROMの特徴と利用方法についてです。

PROMはもちろんROMの一種なのですが、すごく重要な特徴として、「内容の書き込み・削除可能」という点が挙げられます。

専用の装置を用いて、書き込みや削除を実施することができます。

じゃあRAMなんじゃないの??と思われるかもしれませんが、それは違います。あくまでもROMです。実際、PROMは「不揮発性」の特徴を持ってますしね。

EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどは、それぞれ書き込みや削除の方法が異なります。以下にまとめていきますね。

EPROM(Erasable PROM)の特徴と利用方法

EPROM(Erasable PROM)の基本原理

EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)は、紫外線を使ってデータを書き換えることができる特別なメモリです。

EPROMには特殊な窓があり、窓から紫外線を照射することでデータを消去できます。紫外線が当たることで蓄積された充電が放電され、データがリセットされる仕組みです。

データを書き換える際は電気信号としてEPROMに送ることで、新しいデータを記憶させることができます。電気信号によって、特定のセルに電荷が蓄積される仕組みです。

EPROM(Erasable PROM)の特徴

EPROMの基本原理はよく分かりましたかね??

それらを理解していると、以下のような特徴がしっくりくるはずです。大切な特徴なので、しっかりとおさえておきましょう。

  1. 書き換えが可能:
    EPROMは、紫外線を使ってデータを消去し、新しいデータを書き込むことができます。これにより、データの更新や修正が可能で、柔軟な利用ができます。
  1. 紫外線が必要:
    データ消去には紫外線が必要です。EPROMには窓があるため、紫外線ランプなどで窓を照射することでデータを消去します。しかし、消去には一定の時間がかかります。
  1. 電力が不要:
    書き換えは紫外線で行いますが、一度書き込んだデータは電源がオフになっても保持されます。非揮発性メモリとしての特性を持ちます。

EPROM(Erasable PROM)の利用シーン

  • ファームウェアの更新:
    EPROMを搭載したデバイスでは、ファームウェアの更新が容易に行えます。新しい機能やセキュリティ対策を含むファームウェアのアップデートが可能です。
  • 研究開発:
    EPROMは書き換えができるため、プロトタイプの開発や実験に適しています。データの更新が繰り返し行えるので、試行錯誤の研究に有用です。
  • コンピュータのBIOS:
    マザーボードに搭載されるBIOSチップには、EPROMが使われることがあります。BIOSの更新やカスタマイズが必要な場合に活用されます。

EPROMは、紫外線でデータを書き換えることができる不思議なメモリです。書き換えが可能なため、データの更新が必要な場面で柔軟に対応できる点が魅力的です。プロトタイプの開発やファームウェアの更新など、さまざまなシーンで活躍しています!

EEPROM(Electrically EPROM)の特徴と利用方法

EEPROM(Electrically EPROM)の基本原理

EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)は、電気信号を使ってデータを書き換えることができるメモリです。

EEPROMにも特殊なメカニズムがあり、電気信号を使ってデータを消去することが可能です。電気信号によって蓄積された電荷が放電され、データがリセットされる仕組みです。

データを書き込む際は電気信号としてEEPROMに送ることで、新しいデータを記憶させることができます。特定のセルに電荷を蓄積させる仕組みです。

紫外線を必要としないため、EPROMよりも書き換えが容易で、データの更新が簡単に行えます。EEPROMの利便性と柔軟性により、個別のデバイスにカスタマイズされたデータの保存に適しています。

EEPROM(Electrically EPROM)の特徴

EEPROMの基本原理はよく分かりましたかね??

それらを理解していると、以下のような特徴がしっくりくるはずです。大切な特徴なので、しっかりとおさえておきましょう。

  1. 書き換えが可能:
    EEPROMは、電気信号を使ってデータを書き換えることができます。これにより、データの更新や修正が可能で、再利用性に優れます。
  1. 電力が必要:
    書き換えには電気信号が必要です。EEPROMは非揮発性メモリではないため、電源がオフになるとデータが失われる可能性があります。
  1. 短い書き込みサイクル:
    EEPROMはデータの書き換えに時間がかかることがあります。他のメモリよりも書き込みサイクルが長いため、高速なデータ更新が必要な場合には適していないかもしれません。

EEPROM(Electrically EPROM)の利用シーン

  • 携帯電話やデジタルカメラ:
    携帯電話やデジタルカメラなどのデバイスには、設定情報やユーザーのデータが保存されています。EEPROMはこれらのデータを書き換えるのに適しています。
  • スマートカード:
    スマートカードには利用者の情報や残高情報が含まれています。EEPROMはスマートカードのデータを安全に保持し、必要に応じて書き換えるのに適しています。
  • 自動車のECU(Engine Control Unit):
    自動車のECUはエンジンの制御に必要なデータを保存しています。EEPROMは車の性能を最適化するために利用されます。

EEPROMは電気信号でデータを書き換える便利なメモリです。データの更新が頻繁に必要な場面や、個別の設定情報を保存する場面で特に活躍します。情報の安全性と柔軟な利用を両立させるEEPROMの魅力は、現代のデジタルデバイスに欠かせない存在と言えるでしょう。

フラッシュメモリの特徴と利用方法

フラッシュメモリの基本原理

フラッシュメモリ(Flash Memory)はEEPROMの一種であり、電気信号を使ってデータを自在に記憶できる革新的なメモリです。主に携帯電話、デジタルカメラ、SSD(Solid State Drive)などに広く使用されています。

フラッシュメモリはブロック単位でデータの読み書きが行われ、非常に高速なアクセスが可能です。

特定のセルに電荷を蓄積させることでデータを記憶します。書き換えたいデータを電気信号としてフラッシュメモリに送り、セルに電荷を蓄積することでデータを書き込みます。

また、もちろん電気信号を使ってデータを消去することもできます。セルの電荷をリセットすることで、データを削除します。

消費電力が低く、コンパクトなサイズで大容量のデータを保持できるため、携帯性と高性能を両立させることができます。ただし、フラッシュメモリは一般的に書き換え回数に制限があるため、注意して使用する必要があります。

フラッシュメモリの特徴

フラッシュメモリの基本原理はよく分かりましたかね??

それらを理解していると、以下のような特徴がしっくりくるはずです。大切な特徴なので、しっかりとおさえておきましょう。

  1. 書き換えが可能:
    フラッシュメモリは電気信号を使ってデータを書き換えることができます。データの更新や修正が容易で、再利用性に優れています。
  1. 高い信頼性と耐久性:
    フラッシュメモリはデータの保存に優れた信頼性と耐久性を持ちます。データが安全に保持されるため、重要な情報の保存に適しています。

フラッシュメモリの利用シーン

  • USBフラッシュドライブ:
    USBメモリとしてもよく知られています。データの保存や転送に便利で、ポータブルなストレージデバイスとして広く利用されています。
  • デジタルカメラ:
    デジタルカメラのメモリカードとして使用され、写真や動画の保存に使われています。高いデータ転送速度と信頼性が求められるため、フラッシュメモリが選ばれます。
  • スマートフォンやタブレット:
    スマートフォンやタブレットの内部ストレージとしてもフラッシュメモリが使われています。アプリやデータの保存に適しています。

フラッシュメモリは、電気信号を使ってデータを自在に書き換えることができる優れたストレージです。高い信頼性と耐久性、不揮発性メモリの特性が、多様なデバイスやアプリケーションで広く活用される理由です。データの保管と転送に必要不可欠なフラッシュメモリが、私たちのデジタルライフをサポートしています!

おわりに

さて今回は、基本情報技術者試験対策として、ROMの分類と基本原理についてまとめました。

それぞれの違い、しっかりと理解できましたでしょうか??

結構試験でも問われるイメージですので、これを機会に知識を身に着けておきましょうね。

以下にも簡単に特徴をまとめておきます。忘れたら定期的に見返しましょう!

★ マスクROM:
読み出し専用のメモリ。製造時にデータが書き込まれ、その後書き換えることができない。

★ PROM:
書き換えも可能なROM。

★ EPROM:
書き換えも可能なROM。紫外線を利用してデータを書き換える。

★ EEPROM:
書き換えも可能なROM。電気信号を利用してデータを書き換える。

★ フラッシュメモリ:
書き換えも可能なROM。電気信号を利用し、ブロック単位でデータを書き換える。

前回まとめた記事も読んでもらえると嬉しいです!

基本情報以外の勉強記事も是非!

オススメ参考書 & Udemy講座

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